第3話では、自転車通勤によって"お金の差"がどれほど大きいかを実感した話をしました。今回はその続き。お金だけじゃない、身体にも静かに、でも確実に、革命が起きていたんです。

ジムのエアロバイクは「ハムスターの回し車」にしか見えなかった

ぶっちゃけると、私はずっとジムが苦手でした。

とくにエアロバイクとランニングマシーン。一生懸命こいでも走っても、景色は1ミリも変わらない。汗はかく。疲れる。でも進んでいない。あれってどう見てもハムスターの回し車ですよね(笑)

それでも「健康のために」と入会し、週2〜3は行くつもりでいました。最初のうちは。

でもご存じですか、ジムあるあるというやつを。

  • 「今日は疲れたから明日にしよう」→ 翌日も疲れている
  • 「週末にまとめてやればいいか」→ 週末は予定が入る
  • 「今月のノルマはまだある、今週は休んでいい」→ 結局毎週休む

「今日はちょっと…」が週3で発動するのがジムというものです。気づけば月会費だけが引き落とされ続け、1ヶ月経っても行った回数は片手で数えられる程度。「自分でも何を血迷ったんだ?」とツッコミを入れたくなるレベルの、見事な三日坊主でした。

「やめる前にまず1ヶ月だけ」。ハムスターになってみた

それでも自転車通勤を本気でやろうと決めたとき、さすがにいきなり片道19km・約1時間強を走れる自信はなかったです。なにせ50代。直前まで運動ゼロの生活。

そこで立てた目標が「まずジムのエアロバイクで1時間20km走れるようにしよう」。あれだけ嫌いと言っておいて、結局ハムスターになりに行くわけです(笑)。自分でも笑えてきます。

1ヶ月ほど、嫌いながらも漕ぎ続けました。結果として目標には届かなかった。でも「手応え」はつかめていた。脚が回るようになってきた感覚があったんです。

自転車通勤で体が変わった50代の記録

ある休日、思いきって実際の通勤ルートを試走してみました。片道19km。走り終えてみると――ちゃんと会社のそばまでたどり着けた。

「これは行ける」と確信し、翌週から本格的な自転車通勤をスタートしました。

ズボンがぶかぶかになった日のこと

変化は、じわじわとやってきました。

最初に気づいたのは「階段で息切れしなくなったこと」。以前なら職場の階段を3階まで上がっただけでゼーゼーしていた私が、普通に話しながら上がれるようになっていた。地味だけど、これは感動しました。

次第に、ふくらはぎと太もものラインが変わってきました。鏡を見て「あれ?なんか引き締まってる?」と思い始めたのが通勤開始から2ヶ月ほど経った頃でしょうか。

そして、ある朝の出来事。スーツのズボンを履こうとしたら、ウエストに明らかに隙間ができていた。ベルトを最後の穴まで締めても、まだ少し余る。

最初は「洗いすぎて伸びたのかな」と思いました(笑)。でも別のスーツでも同じことが起きて、ようやく確信しました。

「これ、俺が細くなってるんだ」と。

家でパートナーに「ズボンがぶかぶかになった」と報告したら、「そりゃそうよ、毎日あれだけ走ってるんだから」と、まるで当然のことのように言われました。本人はずっと前から気づいていたらしい。なぜ言わなかったのかは聞かないでおきます(笑)。

体重計より、スーツが正直だった

体重計の数字より、スーツやズボンのフィット感の変化のほうが、よほど実感として伝わってくるものですね。

しかも、ジムは即解約。コストもまるっとカット。通勤時間は車のときより15〜20分長くなるものの、その時間がそのままトレーニング時間になっている。

思い返すと、ジムで「今日はちょっと…」を週3で発動していた頃と比べて、自転車通勤はサボれない。会社に行く限り、ペダルを踏まざるを得ない。この「強制力」こそが、長年できなかった運動習慣をつくってくれた最大の理由だと思っています。

ハムスターをやめてクロスバイクに乗ったら、今度は自分がハムスターになった

ここで一つ、重大な事実に気づいてしまいました。

自転車通勤を始めてから、私はほぼ毎日、同じルートを同じように走っています。往復38km。毎日毎日、信号を待って、こいで、また信号を待って、こいで。

……あれ?

これって景色が変わっている分だけマシですが、構造的にはハムスターの回し車と大差ないのでは……(笑)。

まあ、体は確実に変わっているので、良しとします。

通勤ルートを試行錯誤する自転車通勤者

読者の方へ:ジムが続かない人こそ、この順番を試してほしい

もし今「ジムに行きたいけど続かない」「自転車通勤を始めたいけど体力が心配」という方がいれば、私が実際に踏んだ順番をお伝えします。

  • ステップ1:まず「エアロバイクで1時間・20km」を目標に1ヶ月だけジムへ。目標到達しなくていい、「脚が回ってきた感覚」が出ればOK
  • ステップ2:休日に実際の通勤ルートを試走する。途中で引き返してもいい。「たどり着けた」という体験が大事
  • ステップ3:週1〜2からスタートし、徐々に頻度を上げる。いきなり毎日は無理しなくていい
  • ステップ4:スーツのサイズが変わるのを楽しみに待つ。体重計は見なくていい

ジムが続かない理由は意志力の問題じゃないと思います。「行かなくてもいい選択肢がある」のが問題なんです。自転車通勤は、その選択肢をなくしてくれる。そこが最大の強みでした。

次回予告

体力がついてきたら、次は「朝」が変わりました。車通勤時代はパンをくわえて飛び乗る「のび太くん状態」だった私が、なぜかストレッチ・プロテイン・早起きをするようになった話。強制力が人を変えるとはこういうことか、という話です。