自転車通勤を続けていると、ある事実に気づきます。
道路を走る乗り物の中で、自転車はとにかく少ない。
車・バス・トラック……信号で止まるたびに周りを見渡しても、自転車はせいぜい1〜2台。
それだけ自転車乗りは少数派です。
でも、だからこそ面白いことが起きます。
毎日同じ時間に同じルートを走っていると、「あ、またあの人だ」という顔なじみが自然と生まれてくるんです。
🚴 ずっと気になっていた、あの上級者ライダー
何日も前から、後ろを走りながらずっと気になっていた方がいました。
フォームが明らかに違う。スピードも安定している。そして何より——ペダルとシューズが「くっついている」んです。
自転車好きならご存知の方も多いと思いますが、これは「ビンディングペダル」というシステム。
専用のシューズをペダルにはめ込むことで、踏む力だけでなく引き上げる力もペダルに伝えられるため、推進力が格段に上がります。
「いつか試してみたいな」とは思っていました。
ただ、ひとつだけ引っかかりがあって。
ビンディング専用シューズって、見た目がいかにも「自転車用」なんです。
ガチっとした、競技用っぽいデザイン。
正直、ちょっと敷居が高くて、自分には似合わないかな……と思っていました。
ところが、その上級者の方のシューズを見て、目が止まりました。
普通のスニーカーにしか見えない。
スタイリッシュで、自然で、オシャレ。
「そういうのがあるなら、ぜひ聞いてみたい!」——そう思った瞬間、信号が赤になりました。
☀️ いい天気が、背中を押してくれた
話しかけるなら今しかない。
でも正直、最初は少し迷いました。
「見知らぬ人に突然話しかけるのは……」という、あの感覚です。
そこで助けてくれたのが、その日の天気でした。
気持ちよく晴れた朝。爽やかな空気。
そういう環境が揃うと、不思議と自然に言葉が出てくるものです。
「おはようございます!」
挨拶から始まった会話は、すんなり続きました。
「そのシューズ、いいですね。普通のスニーカーみたいで、ずっと探してたんです。ビンディングですか?」
その方は笑顔で答えてくれました。
使い心地、おすすめのメーカー、最初のうちは立ちゴケが怖い話——
短い時間なのに、びっくりするくらいいろんなことを教えてもらえました。
そして、信号は青に変わり。
「ありがとうございます!」と言って、それぞれのペースで走り出しました。
その後、その方と話すチャンスはなかったけれど。
なんとも言えない、不思議で温かい気持ちが残りました。
🚗 隣の車線を見て、気づいたこと
信号待ちの間、ふと横を見ると——通勤の車が並んでいます。
ほとんどの車に乗っているのは、1人だけ。
音楽を聴いている人、スマホを見ている人、窓越しにぼんやり外を眺めている人。
それぞれが、自分だけのプライベート空間の中にいます。
「窓を開けて話しかけたら届くのに」——そう思いながら、でも当然そんなことはしません。
立場を逆にして考えれば一目瞭然。知らない人に車の窓から急に話しかけられたら、誰だって警戒します。
車は便利だけど、外の世界とはガラス一枚で隔てられた空間。
自転車は、そのガラスがない。
だからこそ、あの上級者ライダーと30秒だけ言葉を交わせた。
そう気づいたとき、自転車通勤を選んでよかったと、改めて思いました。
👋 挨拶が返ってくると、自分が明るくなる
自転車通勤の道中、声をかけてくれるのはライダーだけじゃありません。
- 📚 通学の小学生から「おはようございます!」と元気な挨拶
- 👴 朝の見守りのシルバーの方が、会釈を返してくれる
- 👮 警察官にも気軽に挨拶すると、ちゃんと返してくれる
最初は自分から挨拶することに少し照れもあります。
でも慣れてくると、不思議なことに気づきます。
挨拶している自分が、一番気持ちよくなっている。
返ってくる言葉や笑顔が、その日の最初の「いいこと」になる。
出勤前から気分が上がって、仕事に向かう足取りが少し軽くなる。
車の中では、たぶんこの感覚は味わえないと思います。
✅ まとめ:自転車通勤は「街とつながる」通勤だった
自転車通勤を始める前、正直こんなことは想像していませんでした。
節約になるとか、健康にいいとか——そういうメリットは事前にわかっていた。
でも、毎日の道が「出会いの場」になるとは思っていなかった。
信号待ちの30秒で交わした会話。
小学生からの元気な「おはよう」。
顔なじみのライダーへの会釈。
車に乗っていたら、きっと全部スルーしていた瞬間たちです。
自転車通勤を考えている方へ。
経済的なメリットや健康効果だけじゃない、「街とつながる感覚」も、ぜひ体験してみてください。
信号待ちが、ちょっと楽しみになりますよ。